赤星栄志の物語






さて、大麻が環境によくて利用価値が高いと叫んでも、多くの方にとって半信半疑な話である。そこで、私は大麻の食用価値に注目している。大麻を食べるというと大袈裟に聞こえるかもしれない。大麻の種子は、「麻の実(あさのみ、おのみ)」といわれ、うどんやそばなどの薬味にかける七味唐辛子の一味として入っている。

  七味唐辛子の中で一番大きい粒、あれが麻の実である。

  麻の実は、大量の必須脂肪酸と必須アミノ酸を含んでいる。これらの必須栄養素は、人間の体内でつくりだすことはできず、食事としてとる必要がある。特に、麻実油(おのみゆ)には、75%以上の不飽和必須脂肪酸であるリノール酸とα −リノレン酸が含まれている。これは、一般に食べられている植物の中では最も高い値である。これらの不飽和脂肪酸は、アトピー性皮膚炎、心臓血管疾患、関節炎、更年期障害、ガン、神経性自己免疫疾患などの病気の治療および予防に効果があることがわかっている。
歴史を振り返ると紀元前3000年頃の中国を治めていた皇帝・神農氏が百草をなめて選別した365種の薬草のなかに「麻」の名がある。神農氏の教えが後世に伝承されて著された「神農本草経」のなかでは、漢方薬としての麻の効用を次のように説かれている。 「麻仁(まじん)」(麻の実)は、「体や内蔵を修復し、体力の根元となる活動力を増す。久しく服用すると体が肥え健やかになり、不老神仙となる」といい、一種の仙薬に類する効用があるものとしていました。